USB-Cケーブルで充電できないときに見る、W数とeMarkerの見分け方|60W・100W・240Wの違い

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USB-Cケーブルで充電できないときに見る、W数とeMarkerの見分け方|60W・100W・240Wの違い

更新日:2026-09-26
USB-Cで充電するノートPC・スマホ・タブレット

ケーブルは奥まで挿さっている。同じケーブルでスマホは充電できる。それなのにノートPCにつなぐと残量が増えず、Windowsなら「低速充電器」と出る。この組み合わせで最初に疑うのは、ケーブルが通せる電力の上限。USB-Cのケーブルは見た目が同じでも、60Wまでしか通さないものと100W以上を通すものがあり、分かれ目はコネクタの中の小さなチップにある。

先に答え

PCに付いてきたケーブルか、「100W」「240W」と書かれたケーブルに替えて挿す。それで充電が始まり、元のケーブルでもスマホは充電できていたなら、原因はケーブルの上限。eMarkerというチップのないUSB-Cケーブルは、充電器が100W出せても60Wまでしか通さない。

原因がケーブルなら、充電器は替えなくていい。ケーブル1本の交換で済む → 買い替え先

100Wの充電器でも、中にeMarkerというチップのないUSB-Cケーブルでは60Wしか出ない
100Wの充電器でも、中にeMarkerというチップのないUSB-Cケーブルでは60Wしか出ない

ケーブルが原因かどうか、手元の物で見分ける

  1. PCに付いてきたケーブル(なければ「100W」「240W」と表示のあるケーブル)に替える替えただけで充電が始まるなら、元のケーブルが原因。元のケーブルでスマホが充電できていたなら、断線ではなくW数の上限で止まっている
  2. 今のケーブルの箱か販売ページで「60W」「100W」「240W」「5A」を探し、両端の形も見る「60W」「3A」とあるか、どこにも書いていなければ60Wまで。付属アダプタが60Wを超えるPCには足りない。片側が長方形のUSB-Aなら、ノートPCの充電には向かない
  3. Macなら、optionキーを押しながらAppleメニューの「システム情報」を開き、「電源」の「AC充電器の情報」でワット数を見る65W以上の充電器にMacだけをつないでいるのに60W前後と出るなら、ケーブルで止まっている
  4. 挿したまま、コネクタの根元を軽く押さえたり離したりする充電の表示が点いたり消えたりするなら、W数ではなく、ケーブルの傷みか差し込み口のホコリ

付属アダプタが60Wを超えるPCに、60Wまでのケーブルを使っていないか

USB-C同士のケーブルには、3Aまで流せるものと5Aまで流せるものがある。USB PDで100Wまでを送るときの電圧は20Vが上限なので、3Aのケーブルは20V×3A=60W、5Aのケーブルは20V×5A=100Wで頭打ちになる。5Aを通すケーブルには、コネクタの中にeMarker(イーマーカー)という小さなチップが入っていて、通電容量などの情報を充電器に伝える。サンワサプライは、60Wを超える電力にはeMarkerを積んだ5A対応ケーブルが必要で、PD100Wの充電器でも3A対応ケーブルでつなぐと最大60Wの給電になると説明している。

つまり、100Wの充電器と100WのPCをそろえても、間のケーブルが3Aなら60Wで止まる。Ankerも自社の解説で同じ例を挙げ、見た目で何Wまで対応しているかを判別するのは難しいと書いている。

起きやすいのは、スマホ用に使っていたケーブルをPCに回したとき。同じケーブルでスマホは普通に充電できるので、ケーブルを疑いにくい。PCの側は、Appleが推奨するアダプタが14インチのMacBook Pro(2021年以降)で67W・70W・96W、13インチのMacBook Pro(2016年以降)で61W。どれも60Wを超えている。Windowsのノートも、付属アダプタに印字されたW数が60Wを超えていれば同じことが起きる。

eMarkerのないケーブルでは、100Wの充電器が60Wまでに抑えて送る。eMarker入りの5Aケーブルなら100Wまで通る(20V×3A=60W、20V×5A=100W)
eMarkerのないケーブルでは、100Wの充電器が60Wまでに抑えて送る。eMarker入りの5Aケーブルなら100Wまで通る(20V×3A=60W、20V×5A=100W)

箱と販売ページで「100W」「240W」「5A」を探す

USB-IF(USBの規格を管理する団体)は、認証するUSB-C同士のケーブルに「60W」か「240W」のロゴをケーブル本体に付けるよう求めている。ロゴがなければ、箱や販売ページの「最大100W」「5A」「eMarker搭載」といった記載で判断する。どこにも書いていないケーブルは、60Wまでとして扱う。

表示 流せる電流 電力の上限
60W 3A 60W(20V×3A)
100W 5A 100W(20V×5A)
240W 5A 240W(48V×5A)

USB-IFの認証ロゴは「60W」と「240W」の2種類。「100W」はメーカーが箱や販売ページに書いている表示。USB-IF、Anker Japan、サンワサプライの公開資料をもとに作成

Macなら数字で確かめられる。optionキーを押しながらAppleメニューから「システム情報」を開き、「電源」の「AC充電器の情報」を見ると、接続している充電器の給電量がワット数で出る(Appleの案内)。65W以上の充電器にMacだけをつないで60W前後なら、ケーブルで止まっている。Windowsでは、「低速充電器」の通知が出ていないかと、付属ケーブルとの入れ替えで判断する。

100WまでのPCは100W、それを超えるPCは240Wのケーブルにする

付属アダプタが60Wを超えて100WまでのPCなら、「100W」か「5A」と書かれたケーブルに替えれば、ケーブルでの頭打ちはなくなる。100Wを超えるPCは、100Wのケーブルでも足りない。USB PDは100Wを超える電力を28V〜48Vの高い電圧で送り、USB-IFはそのための240Wのケーブルの要件を定めている。Appleも、16インチのMacBook Pro(2023年11月以降のモデル)を140Wのアダプタで高速充電する組み合わせに、240WのUSB-C充電ケーブルを挙げている → 買い替え先

ここで先に充電器を買い替えるのは、順番が逆になる。ケーブルが60Wなら、140Wの充電器につないでも60Wで止まる。ケーブルを替えて、それでも足りなかったときに充電器を見直せばいい。

コネクタに触れると、充電が点いたり消えたりする

挿したコネクタを少し持ち上げると充電が始まる。ある向きで挿したときだけ充電のマークが付く。この症状はW数とは関係がなく、ケーブルの傷みか差し込み口のホコリで起きる。コネクタの根元は抜き差しのたびに力がかかる場所で、Ankerは、ケーブル部分を引っ張って抜くと破損や断線のリスクが高まると注意している。

別のケーブルに替えても同じことが起きるなら、疑うのは差し込み口の側。AppleもMicrosoftも、USB-Cポートの中をエアダスターで掃除するよう案内している。掃除しても直らず、ケーブルを替えると直るなら、そのケーブルは寿命 → 買い替え先

向きを変えれば充電できるケーブルを、そのまま使い続けない

Appleは、ケーブルを揺すったり動かしたりしないと充電されない場合は、そのケーブルの使用をやめるよう案内している。Ankerも、コネクタに異物が入った状態で使うとショートや機器の破損のリスクが高まり、発熱や発火につながることがあると書いている。

今日のうちに充電したいなら、別のケーブルを使い、傷んだケーブルは充電から外す。差し込み口の掃除で直らなければ、ケーブルを替える。

片側がUSB-Aのケーブル、データ転送専用のケーブル

USB PDで速く充電するには、充電器・ケーブル・機器の3つがそろってUSB PDに対応している必要があり、1つでも欠けると従来の低速な充電になる(Ankerの解説)。片側が長方形のUSB-Aのケーブルや、充電器のUSB-Aの口から充電しているなら、これに当たる。スマホは時間がかかり、ノートPCは「低速充電器」と出るか、充電が始まらない。両端がUSB-Cでも安心はできず、Appleは、データ転送専用でMacの充電には使えないUSB-Cケーブルがあると注意している。どちらも、両端がUSB-CでW数の書かれたケーブルに替えれば済む → 買い替え先

新しいケーブルでも変わらないなら、充電器の側

「100W」と書かれたケーブルに替え、差し込み口も掃除して、それでも充電されないか遅いなら、ケーブルは原因から外していい。残るのは、充電器のW数がPCの付属アダプタより小さい、複数ポートの充電器でスマホと同時に挿してPCの取り分が減っている、ハブやドックを通している、充電に対応しないポートに挿している、のどれか。Microsoftも「低速充電器」の原因に、充電器の性能不足とハブ・ドック経由の接続を挙げている。切り分け方は → 充電器につないでいるのにノートPCの残量が減るときの見分け方

買い替えるなら何を選ぶか

60Wで止まっていた、コネクタが傷んでいた、USB-Aのケーブルだった。この3つはどれもケーブル1本の交換で済み、充電器は替えなくていい。充電器まで替えるのは、上の「充電器の側」に当てはまったときだけ。

選ぶ基準は、販売ページに「100W」か「240W」、または「5A」と書いてあること。付属アダプタが100WまでのPCなら100W、100Wを超えるなら240W。長さは、コンセントからPCまでの距離で決める。

付属アダプタのW数で、選ぶケーブルが決まる。例はAppleの推奨アダプタ。16インチのMacBook ProをUSB-Cで高速充電できるのは2023年11月以降のモデル
付属アダプタのW数で、選ぶケーブルが決まる。例はAppleの推奨アダプタ。16インチのMacBook ProをUSB-Cで高速充電できるのは2023年11月以降のモデル

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最大100W。両端のコネクタにeMarkerを内蔵と公式に記載。ナイロン編みで12,000回以上の折り曲げに耐えると公表

ケーブルが原因の3つは、この1本でまとめて片づく。両端にeMarkerを積んで100Wまで通すので60Wの頭打ちが消え、編み込みのナイロンは根元の傷みにも強い。1.8mあるので、床のコンセントから机の上のPCまで届きやすい。映像出力には対応しないとAnkerは注意書きしているが、充電とデータのやりとりに使うなら問題にならない。保証は18か月で、Ankerの会員登録をすると24か月になる。

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USB PD 3.1のEPR(48V・5A)で最大240Wと公式の仕様表にある。平たいケーブルがマグネットで渦巻き状にまとまる。長さは1mで、Ankerより80cm短い。映像出力は非対応

ケーブルを替えても足りず、充電器ごと見直すなら → 65W充電器のおすすめ3選(2026年版)

それでも直らないとき

PCに付いてきた充電器とケーブルを、壁のコンセントに直接挿しても充電されないなら、ケーブルと充電器の問題ではない。USB-Cポートが2つ以上ある機種は、別のポートにも挿す。どのポートでもだめなら、PCの充電回路かバッテリーを疑う。同じ充電器とケーブルで別のPCやスマホが充電できれば、PC側だとはっきりする。

Appleの案内では、直らないときは Mac 本体・USB-C電源アダプタ・充電に使っているUSB-Cケーブルをすべて持って、Apple Store直営店か正規サービスプロバイダで評価を受ける。Windowsのノートは、保証期間内ならメーカーの窓口に、充電器とケーブルの型番を添えて症状を伝える。ケーブルそのものが保証期間内に動かなくなったときは、購入したメーカーのサポートへ。修理費用の目安は公式に記載がありません。

この記事の根拠

確認したもの:USB-IF「Cables and Connectors」「USB Charger (USB Power Delivery)」とケーブル電力表示ロゴの発表資料、Apple サポート「USB-C電源アダプタでMacノートブックが充電されない場合」「Macで電源アダプタを使う」「MacBook AirやMacBook Proを高速充電する」、Microsoft サポート「Windows の USB-C の問題を修正する」、Anker Japan とサンワサプライの USB PD とケーブルの解説、Samsung の 45W Power Adapter の製品ページ、Anker と CIO の製品仕様(2026-09-26確認)

見ていないこと:実機での再現、個体差、ケーブルの発熱。手順はメーカーの公開情報にもとづきます。

よくある質問

240Wのケーブルでスマホを充電しても大丈夫か

大丈夫。ケーブルのW数は通せる上限で、実際に流れる電力は充電器と機器のやりとりで決まる。Ankerは、USB PDは接続した機器が必要とする電力を認識し、電圧と電流を調整して供給すると説明している。今のケーブルで足りている機器なら、240Wに替えても充電は速くならない。

60Wのケーブルに100Wの充電器とPCをつないでも壊れないか

壊れない。充電器がケーブルの上限に合わせて、60Wまでに抑えて送る(サンワサプライの解説)。足りない分は充電の遅さとして出るので、気になるなら100Wのケーブルに替える。

スマホの充電にもeMarker入りのケーブルが要るか

60W以下で充電する機器なら要らない。サンワサプライは、eMarkerを積んだ5A対応ケーブルが必要になるのは60Wより大きな電力で給電するときだとしている。例外はメーカーが5Aのケーブルを指定している機種で、Samsungは45W充電器の製品ページに、最適な結果を得るには同梱の5Aケーブルを使うよう書いている。

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掲載の価格・仕様は2026-09-26時点のものです。手順と仕様はメーカー公式の公開情報に基づきます。実機による再現は行っていません。
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